都市部の地下鉄や電車内では、毎日のように痴漢という刑事事件が多発しています。痴漢事件は被害に遭われた方にとっては、非常に恐ろしく、同時に腹立たしい出来事であると思います。他方で、痴漢冤罪という言葉が周知されているように、ちょっと電車内の揺れで当たっただけで痴漢容疑をかけられるのではないかと、おそれを抱いている方もいるでしょう。誰でもいきなり当事者（加害者側、被害者側を問わず）になり得るという点では、弁護士でなくても痴漢について法律の正確な知識を持っておくことは有用だと思われます。また痴漢と同様に、強制わいせつという言葉も多くの方が一度は聞いたことがあると思います。強制わいせつについては、無理やりお尻や胸を触るなど、なんらかのいやらしいことをするというイメージを持っている人が多いでしょう。しかし、そんな強制わいせつと痴漢の違いというのはちゃんと説明できるでしょうか。なんとなく似たイメージを持っているのではないかと思いますが、処罰根拠となる法律も異なれば、刑の重さも大きく異なるため、両者の区別は非常に大切です。さらに、同じわいせつ犯として強姦罪という言葉もきいたことがあると思います。強姦罪はかなりの重罪で、痴漢や強制わいせつとはまた大きく異なった犯罪類型となりますが、同じわいせつ犯ということであわせて確認してみましょう。
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